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ドッグファイトの本 空戦ボードゲームで考える零戦のエネルギー機動

エネルギー機動ダイアグラムを作りたい
零戦はドッグファイトに強い、というのを
マニューバ性能の良しあしを表す
この図を使って見れないか、と考えていた訳です。

航空ジャーナル T-S線図
私が初めて見た時はT-S線図とか言われてた気がします(多分勘違い)が
ググってみると最近は(ほんとは)E-M線図とか
エネルギー機動ダイアグラム(Energy-Maneuverability Diagram)と呼ばれている様です。
wikipediaの例ではF-86とMiG15の比較が載ってて
私が持っている本にもいろんな機種の図があります、
が、この理論が朝鮮戦争以降に広がったせいか
レシプロ機のものはみあたりません。
(なくはないけど外国語のサイトなので…)

ただ、これの零戦版等を作るとなると
実機を使ってデータを取る訳にいかないので
フライトシム等を使うにしても
機体毎のデータを集めたり解析したりが大変そうです。
(数学とか物理やパソコンに強い人には造作もない事かもですが)


そこで空戦ボードゲーム
、なんですが
J.Dウェブスター氏が制作した
エアスペリオリティ(以下エアスぺ)に始まるゲーム群は
エネルギー機動理論を意識した、というよりそのままルール化した作りとなっています。
これを利用すれば総当たりで調べなくても表の変換で出来るんじゃないかと。
2014年09月18日22時55分25秒
デザイナーズノートには
エアスぺ デザイナーズノート2
例として零戦の強みが書かれています
エアスぺ デザイナーズノート1
よくある「零戦は小回りがきいて強い」というのは
大分と端折った言い回しであるという事が分かります。

エアスぺはジェット機がテーマなので零戦は出てきませんが
後年(’03年)出たFightingWingsシリーズのWhistling Death(以下WD)は零戦その他が出てきますので
Whistling Death
E-M線図を描いてみて
零戦ってエネルギー機動ダイアグラム的にどうよ
というのをざっくりと見てみようと思います。

私は和文ルールと本体を購入しましたが
ググってみますとQuickstartという名で
簡単なルールとチャート、零戦21型(MItsubishi A6M2 ZERO)とFM-2 Wildcatの
データが付いたのが配布されているようです。
(ただし英文)
のでチャート類も本記事内でも引用します。

実際の作業1 土台を作る
まず土台となる
旋回率を縦軸、速度を横軸に取り
旋回の加速度を繋いだ曲線を描いて行きます。

これに相当するのが全機種共通のA/C TURN CHART という表です、
がゲーム用に書かれてあるのでエクセルを使い直します。
※このゲームではへクスとヘクスサイドを使い30度単位の回頭をして
円運動を近似しています。

AC TURN CHART
このチャートの中身はといいますと
左の縦軸(A/C SPEEDinFPs)は速度でFP(フライトポイント)で表されてます。
これは1ターン(4秒)で進む「マス目の数」です
(右の縦軸SCALE MPSはそれをマイル時速に直した数値)
横軸は加速度でEZは2G以下、TTは3-4G、HTは4-5G、BTは5-6G、ETは6G以上です。
チャート内の数字は(下に英文で書いてますが)3種類あって
・30度回頭する為に必要な直進FP が基本で
・3-2みたいなのは直進FPを毎回変更(要は中間)
・60とか90って数字は特別で1マス行くと回頭出来る角度

このチャート内の数字を旋回率の数値に変形させてゆきます。まず
「左軸の数字をチャート内数で割った値」が1ターンに30度回頭する数となります。
これに30を掛けると1ターンに回頭した角度になり
1ターンは4秒なので4で割ると毎秒の旋回率となります。

ついでに旋回半径ですがこれは速度とか関係なく、
チャート内の30度毎の直進数(1マス300ヤード)から
12角形の半径?を割出します。

これをグラフにしたのがこれ
計算間違ってたらすみません。
e-m土台
今思えばゲームの数字を使わなくても良かった気もします。

その2 零戦の瞬間最大旋回率をプロット
これは全機種共通のチャートなので零戦特有の値を追加します。
零戦のAircraft data card(ADC)から
まずAircraft Parformance Chartです。

adca6m apc1

縦軸が高度でAltitude Levelsはゲーム内高度の数値でBandは6レベル毎の高度域です(1レベル1000ft)
とりあえずここでは最低高度のVLとします。
VLからどんどん右に見ると最低速度、最高速度、ダイブでの最高速度? 各旋回G時の最低速度
が並んでいます。
今は水平面の旋回を考えてるのでダイブ以外の速度の数値(FP値)を
先ほど作ったグラフ(横軸は速度、縦軸は旋回G上)にプロットしていきます。
これが失速限界となり荷重限界(ゲームで設定されてる)との交点が
エネルギー損失を顧みない瞬間最大旋回率となります

その3 維持旋回率を追加
ではエンジンパワーで補っていける維持旋回率はどうでしょう
さっきのチャートで旋回GのTTとかHTとかいう横のカッコ内数値が
30度回頭する毎の減速ポイントとなります
旋回抗力1

これに対してエンジンパワーの方がPOWER VERSUS SPEED CHARTで
a6m2powervsspeedchart.png

縦軸は高度、横軸は速度(FP)で交差したところが1ターンで得られる増速ポイントとなります。
2個のうち大きい方は緊急出力等ということで今回はとりあえず大きい方を選びました。

増速ポイントと減速ポイントの差が+の領域が
維持旋回可能領域となります 

ついでにグラマンF6F-3(これはQuickstartにはない)の値を青色で追記しました


e-m零戦とf6f

間違いはあるかもですが
大体の傾向はつかめるんじゃないでしょうか
(この駄文を見る人が居るのかわかりませんが
もし間違いを見つけて頂けたらご指摘お願いします)


見た感じだと
零戦は低速が得意でF6Fは高速が得意(当たり前)

250mph以下での瞬間最大旋回は零戦が圧倒しているが
250mph以上だと並ばれる。
F6Fは維持旋回が零戦と並んでて200mph以上では差が広がる

それっぽいというか時間をかけた割にあんまり突拍子のない結果でもなく微妙です…。
レシプロ機って非力だなあというのも予想通りです。

尚これは海面上の話なので
高高度になると零戦とF6Fの差は大きくなる気がします
(面倒なので今は、やりませんが)

このFightingWingsシリーズは太平洋戦争だけでなくて欧州や北欧もあり
弾はまだ残っとるがよ状態ですので
ネタに困ったら違う機体をやってみようと思います。
BGG見てたら開発中の独ソ戦版に加えてフライングタイガースが増えそうな感じ)

またエアスペの方も同様のシステムなのでアレが得意なアレはやっぱりアレな感じか、
というのも興味深いところ。

もし興味が有る方は…
同系列のAirPowerシリーズThe Speed of Heat
は和文ルールもあり国内の通販サイトからも入手は可能かと思います。

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